だけど時間はいつも無い
成功者の条件の一つは「ポジティブシンキング」なのだという。常に物事を前向きに考えていけば建設的なアイデアも浮かぶし、表情も明るくなるから自然と人が集まってきやすくなる。そんな話が色んなビジネス書に共通して書かれていた。
それについての例えでよく出されるのが「半分のコップ」の話だ。
「コップの中に水が入っている。これを『半分しか入っていない』と考えるか、『半分も入っている』と考えるか…」
後者はポジティブな考え方。無いものを嘆くよりも、今あるものを最大限に生かしていこうということなのだろうか。なるほど、確かにこういう考え方ができる人は成功しそうな気がする。
しかしその理屈なら「まだ日数はたっぷりある」と涼しい顔をして、夏休み最終日に夜中まで宿題を片付けていた俺は大成功者になっているはずである。
先週は3連休だった。この3日間で、積ん読本や録り溜めていたテレビ番組を消化したり、プログラムの勉強をしたり、ブログ記事を書き溜めていくつもりだった。先週の金曜日はそういう週末を予定していた。金曜日の夜は意気込んでいた。3日間も自由にできる時間があるのだから、予定は全て実行できると思っていた。
そして連休明けは
「よぉし、充実した休みを過ごせたぞ。さて、今週からまた頑張るぞい!」
という気持ちで仕事を始める予定だった。
しかし、である。本は1冊だけ(1冊も、といえばいいのか?)しか読まず、撮り溜めた番組は1度も再生されず、プログラムの勉強も進まず、ブログ記事はその日のものを更新しただけだった。
連休最終日に「これはマズい」と危機感をもった俺は、今日これまで何をしていたのか振り返る為に1時間ごとにやったことを手帳に記録しようとした。そしたら今度は「1時間ごとの記録をつける」という計画さえも失敗に終わった。
「まだ半分も入っている」という思考でいたら、全てが失敗に終わってしまったのだ。そして連休明けの今朝は「何もしなかったな…」という自己嫌悪がのしかかった状態で職場に向かっている。何がポジティブシンキングか、と言いたい。
そもそも、誰がこの「半分のコップの話」をし出したのか。「コップ 半分 まだある」で検索してみたら、ある記事にこんな引用をしているものを見つけた。
「コップに『半分入っている』と『半分空である』とは、量的には同じである。だが、意味はまったく違う。とるべき行動も違う。世の中の認識が『半分入っている』から『半分空である』に変わるとき、イノベーションの機会が生まれる」
一時期流行った「もしドラ」で、その名を知ったドラッカーの言葉である。もしかして彼が最初に言い出したのか?
もしそうだとすれば、これは「半分空である」の方が良いみたいな言い方に捉えられる。イノベーションの機会は「半分空である」の時に生まれるのだから。
良い行動がとれるのは「半分しかない」の方だということか。
それならば、これからは自分に時間のプレッシャーを与えていくようにしなくてはいけないな。3日間ある、ではなくて、3日間しかない。
そうやって自分を追い込んでいくようにしよう。そもそも俺は「褒められて伸びたいけど、叱られて伸びるタイプ」だったことを思い出した。他人に叱られる前に自分を叱らないと。ぼーっと生きてんじゃねぇよ!ってね。
引用元はこちら
ドラッカーが説く「コップの水」理論とは? | リクナビNEXTジャーナル
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